飽食の時代になり、逆に不健康になる現在の状況を改善する為の、必要不可欠な情報をお伝えしていきます。
★肥満は万病のもと
2014年の調査では、40~60代の中高年の男性において、いずれの年代も肥満者の割合が30%を超えています。
更に言いますと、男性肥満者の割合は年々増加しています。
★気をつけたい内臓脂肪
肥満には、大きく分けて2タイプが有ります。
1つは、胃や腸や肝臓などの臓器に脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」。
男性に多く、お腹がポッコリと出るのが特徴です。
もう1つは、皮膚のすぐ下に脂肪がつく「皮下脂肪型肥満」。
女性に多く、指でつまむことが出来るタイプです。
特に注意が必要なのが、内臓脂肪型肥満です。
内臓の周りに脂肪が付くことで、身体に悪影響を及ぼすと考えられています。
内臓脂肪が約1キロ増えると、おへそ周りの腹囲は、約1cm増えると云われています。
★肥満(内臓脂肪)は、様々な生活習慣病の要因
①高血圧を引き起こす→肥満は、塩分の摂りすぎに並ぶ、高血圧の大きな要因になります。
②高血糖を引き起こす→脂肪細胞が分泌するホルモンの中に、インスリンの働きを悪くするものがあります。
③脂質異常を引き起こす→善玉コレステロールの減少、中性脂肪の増加と云う脂質異常を引き起こします。
★糖尿病が招く3つの合併症
①糖尿病神経障害→感覚を司る両手両足などの、末梢神経に障害が出てくる。
②糖尿病網膜症→目の網膜の毛細血管に障害が出てくる。
③糖尿病性腎症→腎臓の毛細血管に障害が出てくる。
★標準体重の計算方法
標準体重とは、統計上もっとも病気になりにくいとされる体重の事で、BMIが22のときの体重です。
標準体重(kg)=22(BMI値)×身長(m)×身長(m)
★がん予防の観点からの適正体重(kg)の計算方法
身長(m)×身長(m)×男21~27(BMI)=がん予防の適正体重(kg)
身長(m)×身長(m)×女21~25(BMI)=がん予防の適正体重(kg)
★ペットボトル症候群
清涼飲料水には、平均約10%の糖質が含まれています。
特に暑い時期に、清涼飲料水を何本も続けて飲み、血糖値が急上昇して、昏睡状態に陥ってしまう人が少なくありません。
これを、「ペットボトル症候群」といいます。
★メタボを食い止めよう
内臓脂肪型肥満は、血圧や血糖値を上げて、血中脂質のバランスを乱します。
これが複数重なって起きている病態を、「メタボリックシンドローム」(メタボ)といいます。
★メタボリックシンドロームの診断基準
①腹囲が右記に当てはまる➡(男)85cm以上(女)90cm以上
+(更にぷらすして)
②下記のいずれか2つに当てはまる
・血糖値➡空腹時血糖値110㎎/dL以上
・血圧➡収縮期血圧130㎜Hg以上かつ/または収縮期血圧85㎜Hg以上
・血中脂肪➡中性脂肪値150mg/dL以上かつ/またはHDLコレステロール値40mg/dL未満
★肥満の要因
最大の要因は、「食べ過ぎ」と「運動不足」です。
健康で長生きするには、肥満の予防と改善が必要不可欠になります。
★いいダイエットとは?
BMIが25以上の肥満がある人は、生活習慣病の予防のために、ダイエットに取り組み、減量することが必要です。
しかし、この減量について、間違った認識をしている人も少なくありません。
いいダイエットは、『体脂肪を減らす』ダイエットです。
★まずは、1ヶ月で1㎏減を目指す
体脂肪は、1㎏当たり7,000㎉に相当します。
①朝と夜の1日2回、体重を量る。
体重計に乗る回数が多いほど、体重が増えにくく、減りやすいと云う研究報告もあります。
②1日約240㎉減の食事を心がける
1ヶ月で体脂肪1㎏=7,000㎉を減らすには、1日240㎉減の食事を、1ヶ月間毎日続ければよいのです。
③夕食は早めに、遅くなる時には軽めに
※胃腸の消化時間を考えて、就寝の3時間前までには夕食を済ませることをオススメしています。
※病院の夕食時間と消灯時間を思い出して、入院したと思って実行してみてください。
④少しでも歩く時間を増やす
※人間は動物ですから、やはり歩くことは基本になります。
★すぐに出来る食べ過ぎ対策
①簡単なのは、食べ物をよく噛んで食べること。
一口30回噛むことを意識すると、落ち着いてゆっくり食べることが出来ます。
②野菜を先に食べるようにすると、噛む回数が増えるうえに、食物繊維がお腹に溜まって、食べ過ぎ防止につながります。
★高齢者は、低栄養に気をつける
肥満予防は非常に大切ですが、高齢者の場合は少し違います。
加齢と共に、咀嚼、嚥下障害や食が細くなることで食事量が減ったり、肉や油脂類をあまりとらなくなるなど、栄養が偏りやすいのです。
その結果、低栄養になっている高齢者も少なくありません。
低栄養になると、筋肉量が減り、転倒や寝たきりの危険性が高まったり、免疫の働きが低下して、肺炎などの呼吸器系の病気に罹りやすくなります。
特に、BIEが18.5~20を下回る場合には、低栄養の可能性が高いために、食生活の見直しが必要です。
以上で、第2章 食生活と健康の中盤を終了します。
※は、私なりに個人的見解を入れております。
日本健康マスター検定の公式テキスト NHK出版より要点を抜粋して記載しております。