現代医学の特徴は、測定にありと言っても過言ではないと思います。
体の内部は基より、身体のすみずみまで、さらには遺伝子や細胞レベルまで測定が可能になってきました。
しかし、それは測定を受診したから分かることで、受診をしなければ何も分かりません。
調べたら何か分かるから怖いと云うお気持ちは良く解りますが、知らないで手遅れになるよりはまだマシだと思います。
せめて、1年に一度は「血液検査」をオススメします。
★病気の予防・早期発見には健診を活用する
「健康診断(健診)」は、病気の予防と早期発見を目的として受けるものです。
もし検査で何らかの異常が見つかったとしても、すぐに治療を開始出来るメリットがあります。
つまり、ある日突然、病気で倒れる事態に陥るのを防ぐには、健診を受けて自分の体の状態をしっかりと把握しておくことが大切なのです。
★主な健診
①一般健診(定期健診):1年に1回定期的に受ける
②特定健診(メタボ健診):40~74歳が対象
➡メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を中心に、糖尿病や高血圧、脂質異常症などリスクの有無を検査
③がん検診
➡対策型:五大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳癌、子宮頸がん)の早期発見の為の検査診断。
➡任意型:医療機関などが任意で行う検診
★検査には定期的に受けるものと任意のものがある
・職場などで年に1回実施される「一般健康診断」は、「定期健診」の代表的なものです。
・「特定健康診査(メタボ健診)」は40~74歳の人を対象に、生活習慣病の予防と早期発見を目的として行われています。
・対策型がん検診は、主に自治体が中心となって行っており、”五大がん”と呼ばれる胃がん、大腸がん、乳癌、
子宮頸がん、の早期発見を目的とした検査です。
・「人間ドック」は個人の意思で受ける健診で、定期健診よりもさらに詳しく、がん検診も含めた検査を受けられ
ます。
★健診で行う主な検査項目
①身体測定→身長、体重、腹囲の測定、BMIの算出により肥満や痩せの状態をみる
②血圧測定→収縮期血圧(最大血圧)、拡張期血圧(最小血圧)の測定により高血圧・低血圧の測定をする
③血液検査→赤血球や白血球の血球数、ヘモグロビンなどの血液一般検査のほか、糖代謝、脂質代謝、肝機能、
尿酸代謝、腎機能などを調べる
④尿検査→尿たんぱくにより腎機能を、尿糖により糖代謝を調べる
⑤便検査→便潜血反応検査により消化管の状態を調べる
⑥エックス線検査→胸部エックス線検査では肺と心臓を、胃部エックス線検査では食道・胃・十二指腸を調べる
⑦超音波検査→腹部の超音波(エコー)検査により肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などを調べる
⑧心電図検査→安静時心電図検査により心臓の状態を調べる
★病気の可能性があるかわかる
自覚症状がなく、本人が気付かないうちに何らかの病気が起こり始めている場合でも、検査を受ければ早期に発見できる確率が高くなります。
★血液検査から血管の傷付き具合もわかる
・検診では各種の血液検査が行われますが、血液からわかる体の情報は多岐にわたります。
・血液の状態を調べると全身の血管の健康状態を推測することも可能です。
★血液検査から肝機能の状態を確認する
・肝臓は別名を「沈黙の臓器」といい、何らかの異常があっても症状が現れにくい特徴があるため、異常を見つけ
るには、血液検査が欠かせません。
・B型肝炎やC型肝炎などの肝炎ウイルスに感染しているかどうかも血液検査で調べます。
★コレステロール値などから冠動脈疾患のリスクがわかる
血液中の糖や中性脂肪、コレステロールが多過ぎるとやはり動脈硬化が進行して血管が狭くなったり、部分的に詰まったりします。
すると、冠動脈疾患の狭心症や心筋梗塞をはじめ、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患といった重大な病気のリスクが高くなります。
このように血液の性状によって血管の傷付き具合や、さらにはそれによって引き起こされる病気も予測することができるのです。
健診の結果を受け取り、再検査および精密検査を指示されたときは必ず検査を受けましょう。
以上で、第6章 健診・検診を使いこなす 前半部分を終了します。
日本健康マスター検定の公式テキスト NHK出版より要点のみ抜粋して記載しております。