ガンよりもなりたくない病気といえば、「認知症(ボケ)」だと思います。
この病気の一番恐ろしいことは、どんなに立派な人であっても、どんなにお金持ちでも、何も関係なく生活しながら人格が壊れていくことにあります。
誰もが長く生きることが可能になった反面、長く生きていくことへの将来の不安はますます増加していきます。
これからも㈱ラウンドヒルは、「寝たきりにならないボケにならない生き方」を広めていく活動をしていきます。
★認知症で最も多いのはアルツハイマー型認知症
認知症は脳の病気が原因で起こりますが、最も多いのがアルツハイマー型認知症です。
記憶を司る脳の「海馬」という部分がまず萎縮し始め、病気の進行に伴って脳全体が萎縮していきます。
萎縮を引き起こすのは、「アミロイドβたんぱく」という物質が脳に蓄積するためです。
アルツハイマー型認知症の発症しやすい年齢は70歳代ですが、なかには50歳代前後から発症するケースもあります。
その次に多いのが、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因となる脳血管性認知症です。
脳血管が詰まったり破れたりすることで、その先にある神経細胞が血流不足に陥り、ダメージを受けることが原因です。
最近、診断されるケースが増えているのがレビー小体型認知症です。
脳にレビー小体というこの病気特有の蓄積物が出現し、これによって神経細胞が死滅することで発症します。
50歳代の比較的若い世代に多いのが、前頭側頭型認知症です。
言語と理性を司る前頭葉と、言葉の意味理解を司る側頭葉の萎縮から始まり、性格の変化など特徴的な症状がみられます。
★生活習慣病のある人はリスクが高い
アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβたんぱくは、生活習慣病があると増加しやすく、なかでも糖尿病のある人はアルツハイマー型認知症のリスクが2倍になるといわれています。
★発症のサインを見逃さない
認知症は、一度発症すると元の健康な状態に戻すことは困難です。
しかし、早期に発見して適切な治療を行えば、進行のスピードを緩やかにすることが可能です。
認知症で最初に現れる症状は、記憶力の低下や日時、場所、人の名前などを正しく把握する認知機能の障害です。
★認知症の初期症状に関する11の質問項目
①同じことを何回も話したり、尋ねたりする
②出来事の前後関係が分からなくなった
③服装など身の回りに無頓着になった
④水道栓やドアを閉め忘れたり、後片付けがきちんとできなくなった
⑤同時に2つの作業を行うと、1つを忘れる
⑥薬を管理してきちんと内服することができなくなった
⑦以前はテキパキできた家事や作業に手間取るようになった
⑧計画を立てられなくなった
⑨複雑な話しを理解できなくなった
⑩興味が薄れ、意欲がなくなり、趣味活動などをやめてしまった
⑪前よりも怒りっぽくなったり、疑い深くなった
【判定と注意】
客観的に評価するため、質問には家族や周囲の人が答える。
3項目以上にチェックがついたら、認知症の可能性がある。
本人が評価した場合、心配性や抑うつ傾向の人では、実際より当てはまる項目が多くなりやすい。
また、家族が評価すると認知症の進行によって該当項目が増えるが、本人が評価した場合は認知症が進行するほど自覚が薄れて、該当項目が減る傾向がある。
★脳を使いながら体を動かすと効果的
認知症の予防法として現在注目されているのが、脳を使いながら運動する方法です。
これを「デュアルタスク・トレーニング」といいます。
計算やしりとりなどをして頭を使いながら、同時にウォーキングなどの有酸素運動を行うと、脳の血流が増加して脳が活性化され、記憶力や判断力などの認知機能の低下を抑える効果があることが分かったのです。
以上で、第7章「高齢の家族の健康、ロコモ」後半を終了します。
日本健康マスター検定の公式テキスト NHK出版より要点を抜粋して記載しております。