2025年問題まで、あと7年ほどになりました。
団塊の世代の方々が、75歳になっていくことにより、現状のままの仕組みでは医療の現場や福祉の現場がパンクするという事が予測されている問題です。
高度成長期に活躍されて、日本を世界の経済大国に押し上げた原動力となった世代の方々には、まだまだ元気で長生きして欲しいと思いますし、安心して老後を過ごしてもらいたいと願うばかりです。
これからの元気な日本を作り上げていくには、まずは健康が一番だと思います。
健康作りを推進していくために、今私達が出来ることは何かを考えて行動していきます。
★65歳以上で介護が必要な人は介護サービスを受けられる
高齢になって最期まで健康で、自立した生活を送りたいと誰もが願っています。
しかし、加齢に伴ってそれが難しくなってくるのも事実です。
足腰が弱くなったり、病気やケガなどが原因で寝たきりになったり、あるいは認知症になったりして介護が必要になることが増えてきます。
こうした状況になったときに、家族だけで支えていくのは体力的にも精神的にも困難です。
また、経済的な負担も大きくなります。
近年では、頼る人もいない一人暮らしの世帯も少なくありません。
そこで、助けになるのが介護保険制度です。
介護保険には40歳になった時に、全員が加入することになっています。
原則として公的医療保険(健康保険や国民健康保険など)に加入している人はすべて被保険者として加入する仕組みになっているので、個別に手続きする必要はありません。
介護保険に加入し、全員が保険料を支払うことで、介護が必要になったときに各種のサービスを利用できるようになっています。
介護保険の被験者は、年齢によって分類されています。
65歳以上の人は「第1号被験者」、40~64歳の人は「第2号被験者」となります。
第1号被保険者の介護保険料は、市区町村ごとの基準額に基づき、加入者の所得や世帯の所得によって原則9段階(2015年~)に設定され徴収されます。
そして、寝たきりや認知症などによって介護が必要と認定されたとき、あるいは日常生活の支援が必要と認められると介護サービス・介護予防サービスを利用できます。
★特定の病気になった40~64歳の人も対象に
介護サービスの利用についても、第1号被保険者(65歳以上)は病気などの原因を問いませんが、第2号保険者(40~64歳)では、16種類の特定疾患で介護が必要なった場合に限り、介護サービスを利用できることになっています。
主な特定疾病には、初老期における認知症(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症など)、脳血管疾患(脳出血や脳梗塞など)、関節リウマチ、末期がんなどがあります。
介護保険で受けられるサービスには、家庭を訪問してもらったり、家庭から事業所に通ったりして受ける居宅サービスと、介護保険施設に入所して利用する施設サービスの2種類があります。
介護や支援の必要があり、これらのサービスを利用したいときにはまず市区町村の窓口で手続きをします。
要介護・要支援認定申請書と介護保険の保険証(65歳になると交付される)を提出し、要介護認定を申請します。
介護サービスを利用するには、原則としてサービスにかかった費用の1割を自己負担します。
また、要介護区分によって支給限度額にはそれぞれ上限があるので、超越した場合はその分が全額自己負担となります。
★2025年には1人の高齢者を2人以下で支える時代に
日本では過去に類を見ない勢いで高齢化が進み、それに伴って医療費も上昇し、国の経済を圧迫しているからです。
日本の医療費が増加した要因は、2つあります。
1つは、医療技術の進歩により、高齢であっても助かる命が増えたことです。
もう1つが、高齢化です。
70歳以上の1人当たりの平均医療費は、70歳未満のおよそ5倍にものぼります。
2025年の高齢化率(65歳以上人口割合)は30.3%と予測されており、今後、高齢者が増えるほど医療費も増加することは容易に想像できます。
一方で、少子化によって総人口は減少し、65歳以上の高齢者1人に対する生産年齢人口(15~64歳)は、2025年には1.9人にまで減少すると予測されています。
つまり、現役世代2人弱で高齢者1人を支えなければならないのです。
しかも、労働人口の減少は税収の減少に直結します。
そうなると医療費の財源確保はますます難しくなることが考えられます。
今後も公的医療保障を維持するためには、増税や医療費の国民負担率の増加、さらには延命治療などの終末期医療のあり方などを検討する必要があるといえます。
以上で、第11章「健康を支える仕組み」後半を終了します。
日本健康マスター検定の公式テキスト NHK出版より要点を抜粋して記載しております。