紙媒体(アナログ化)から電子データ(デジタル化)への移行にて、世の中は随分と進化・発展してきました。
健康や医療の分野でも、膨大なデータ(ビッグデータ)から様々な統計や将来の推計が次々と発表されます。
しかし、どんなに過去のデータから統計をしてみても、健康作りにおいては後手後手になってしまいます。
健康長寿を目指すなら、結局のところ先手先手の「予防」しか方法はありません。
私達はその方に適した「本物の予防法」を、これからも更に普及させる為に幅広く活動していきます。
★個人の健康・医療情報を持ち歩く時代に
個人の健康・医療情報を電子データー化して蓄積し、予防や治療に生かそうとする健康管理機器が多く登場しています。
とりわけ注目されているのが、身に付けて持ち歩くことができる活動量計です。
これらでは、消費エネルギーや歩数、睡眠時間などを自動的に計測し、記録を蓄積することが可能なため、自分の健康管理が簡単にできるようになると期待されています。
また、電子版の「お薬手帳」の普及も進んでいます。
しかし、お薬手帳の仕様がそれぞれ異なっているため、厚生労働省は全国各地のどこの薬局でも対応できるよう「標準仕様」を検討し、利便性の向上とお薬手帳の電子化を普及させようと考えています。
★医療ビッグデータを健康増進に役立てる取り組み
診療や健康診断などを行う医療現場には、電子カルテをはじめとして、心電図・血液・検査画像など無数のデータが蓄積されています。
これらのデータは究極の個人情報として取り扱うことが重要ですが、適切に取り扱うことによって、今、これからの大量の情報「ビッグデータ」から意味のある知見を見出し、健康増進に役立てようとする動きが活発になっています。
★データヘルス計画とは
今、糖尿病等の生活習慣病予防のための特定健診や、レセプト(診療報酬明細書)などの健康・医療情報は、データで管理されるようになっています。
データヘルス計画とは、これらのデータを活用して、効率的・効果的な保健事業を実践する取り組みのことです。
2013年に国が打ち出した「日本再興戦略」では、すべての健康保険組合に対して、レセプトなどのデータを分析し、保険加入者の「健康づくり」や「疾病予防」、「重症化予防」に取り組むよう求めています。
以前は紙媒体だったものが電子的に標準化されることで、健保組合などの医療保険事業者は、保険加入者個々の健康状態の変化などを客観的に把握できるようになりました。
★「データヘルス計画」4つのポイント
①特定健診・レセプトなどの健康・医療情報の活用
個人や集団の健康課題を、データにより捉えることができます。
②身の丈に応じた事業範囲
企業や健保組合の規模や財政状況は様々です。
データを活用して、それぞれに合った事業を一歩ずつ進めていくことができます。
③事業主との協働(コラボヘルス)
保健事業は、企業の生産性の維持・向上にもつながることから、企業とメリットを共有して事業を進めていくことが、より効果的です。
④外部専門事業者の活用
生活改善プログラムの作成などを行う専門事業者を活用することで、より効果的な事業を行うことができます。
以上で、第12章「健康の啓発」中盤を終了します。
日本健康マスター検定の公式テキスト NHK出版より要点を抜粋して記載しております。