フレイルの状態にある場合、身体的・精神的・社会的の3つの側面から総合的に働きかけることが大切です。
①食事
一人暮らしの高齢者は、一人で食事を取る孤食となりがちです。
孤食では食事の品数も減り、食べ食材も偏りやすくなります。
食欲も低下しやすく食べる量も減り、低栄養状態に陥りやすくなります。
そのため、積極的に友人や家族、地域の人などと食事の機会をつくり、低栄養を防いで心身の健康維持を保ちましょう。
筋肉を強く保つために、タンパク質を十分に摂ることも重要です。
②口腔ケア
加齢と共に口腔機能(噛む・飲み込む)が低下すると、硬い食材が食べられなくなり、むせやすくなります。
定期的に歯科健診を受けて口腔機能の低下を予防することや、噛みごたえのある食材を選んでよく噛んで食べることなどを意識し、食事の質を維持するようにしましょう。
③運動
厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動指針」として、今より10分多く体を動かす「プラス・テン(+10)」の呼びかけを行っています。
出来るところから少しずつ、いつもより10分多く動かすように心がけて、運動の習慣を身に付けていきましょう。
④持病のコントロール
糖尿病や高血圧、腎臓病、心臓病、呼吸器疾患、整形外科的疾患などの慢性疾患がある場合には、悪化しないように良好な状態を保つことが大切です。
⑤感染症予防
高齢者の場合は、免疫力が低下していることが多いため、インフルエンザや肺炎などにかかりやすいといわれています。
インフルエンザや肺炎をきっかけに重症化して入院、さらには寝たきりになってしまうこともあります。
日頃から適度な運動やバランスの良い食事などにより感染症に強い体づくりをするだけではなく、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを接種して予防しましょう。
⑥社会活動への参加
社会とのつながりを持たずに家に閉じこもりがちになると、生活面や精神面などの他の側面までもが低下をきたし、フレイルが重症化してしまいます。
自分が得意なこと、出来ることを見つけて地域のボランティアなどに参加することで、生きがいややりがいを見出し、社会的な役割を再び取り戻して自信にもつながります。
活気や気力が湧き、いきいきと生活することで、心身ともに元気になります。
上記は、成人病予防対策研究会発行の「ほすぴ」より抜粋して記載しております。