食生活と健康とひとくちに言っても、多岐にわたっており、どれもが重要な項目になっています。
範囲は広いですが、出来るだけ分かりやすくまとめていきます。
★長生きのカギを握る食生活
・3大栄養素
糖質→1日の摂取エネルギー量の50~65%を炭水化物
脂質→1日の摂取エネルギー量の20~30%を脂質(油は、1gで約9㎉)
たんぱく質→1日の摂取エネルギー量の13~20%をたんぱく質
①肉より魚をメインにする
肉には「飽和脂肪酸」が魚には「n-3系多価不飽和脂肪酸」が豊富に含まれています。
n-3系多価不飽和脂肪酸には、血中脂質を減らしたり、血圧を下げ、動脈硬化を防ぐ働きが期待できます。
②食物繊維をしっかりとる
食物繊維は、小腸でコレステロールの吸収を抑えたり、血糖値の上がり方を緩やかにしたり、腸を刺激して便秘解消に役立つなど、様々な健康効果が期待出来ます。
③大豆・大豆製品を積極的に食べる
大豆には食物繊維が多いうえに、イソフラボンという成分が女性ホルモンのエストロゲンと同様の働きをして、更年期の女性のエストロゲン減少に伴う症状を軽減したり、血管を保護して動脈硬化を防ぐ効果が期待できます。
★体に良いあぶらと、良くないあぶらを知っておく
取り過ぎが問題になる「あぶら」ですが、厳密には常温で固まる「脂」と、固まらない「油」に分けられます。
前者は肉の脂身や皮、バターなど動物性脂肪の多い食品に、後者は魚や大豆、植物油など植物性脂肪の多い食品に含まれます。
これらの主成分は脂質で、脂肪酸によって構成されます。
「脂」には飽和脂肪酸が多く含まれており、「油」には不飽和脂肪酸が多く含まれています。
飽和脂肪酸には動脈硬化を招く作用があり、体に良くないあぶらと言えるでしょう。
どんな「あぶら」も、適量をバランスよくとることが大切です。
しかし、マーガリンやショートニングなどのとり過ぎには注意が必要です。
これらには、近年健康被害が注目されている「トランス脂肪酸」が多く含まれています。
※トランス脂肪酸は出来るだけ取らないことを、オススメしています。
※アーモンドやクルミやマカダミアナッツのナッツ類は、素焼きのタイプで午前中に摂取すると効果的です。
★日本人に不足しがちな2つの栄養素
「食物繊維」と「カリウム」が深刻な摂取不足であることが指摘されています。
不足すると、高血圧や糖尿病、心筋梗塞といった生活習慣病の要因となります。
①食物繊維
現状→約14g/日
心筋梗塞による死亡率の低下には、1日に24g以上の食物繊維を取ることが理想です。
②カリウム
現状→約2,200㎎/日
・男性(18歳以上)3,000mg以上/日
・女性(18歳以上)2,600mg以上/日
★食物繊維は、肥満・糖尿病・心筋梗塞を防ぐ
食物繊維には糖の吸収を緩やかにして、食後の血糖値の急上昇を抑えるため、糖尿病の予防効果が期待できます。
そのほか、小腸でコレステロールのの吸収を抑えてる働きがあり、血中脂質のバランスを整えて動脈硬化を防ぎます。
★カリウムは、余分な塩分の排出を促す
日本人は食塩摂取量が多いので、カリウムをしっかり摂ることで、高血圧の予防に役立ちます。
ただし、腎臓病がある人は、重症度によってはカリウムを尿に排出することが難しく、カリウムの摂取量を制限する必要があります。
★野菜を食べよう!
健康を維持するために必要な野菜の摂取量を、1日当たり350g以上としています。
生野菜なら両手に一杯(70g)で5杯分=350g
温野菜なら片手に一杯(70g)で5杯分=350g
★果物は適量を毎日とる
果物には、「食物繊維」と「カリウム」が多く含まれています。
果物なら生でそのまま食べられるため、調理による損失量が多いカリウムでも、無駄なく摂ることが出来ます。
1日当たりの果物の摂取量の目安は、200g
りんごなら1個、みかんなら2個
果物や野菜の摂取量が多い人は、食道がんの罹患リスクが約半分になるという報告があります。
★保健機能食品を正しく知る
①特定保健用食品(トクホ)
健康の維持・増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、表示が許可された食品
②栄養機能食品
ビタミンやミネラルなどの指定成分を基準量含む食品
③機能性表示食品
企業の責任で機能性を表示する届出制の食品
★朝食のススメ
①朝食を抜くと、朝の血圧が上がりやすい
特に血圧については、朝食を抜くと、空腹のストレスから朝の血圧が上昇しやすいのです。
②毎日朝食をとっている生徒の方が、あまりとっていない生徒よりも、学力調査の平均正答率が高い傾向があるのです。
★子供と一緒に食事をしよう
平成22年の調査によると、子供が1人だけで食事をする「孤食」の割合は、特に朝食が多く、栄養バランスが摂りにくい、偏食や食事のマナーが育ちにくいなど、子供の将来の食生活に良くない影響を及ぼすと指摘されています。
家族と一緒に食事を摂る頻度が低い児童生徒においては、「肥満」や「過体重」が多いという報告もあり、大人になってから生活習慣病にかかりやすくなることが懸念されています。
★がんのリスクを高める食事
①あまりに熱すぎる食べ物、飲み物は出来るだけ冷ましてから口に入れることが大切です。
そうすれば、食道がんだけでなく、口腔がんや、咽頭がんのリスクの低下も期待できます。
②国際的な基準では、赤肉の摂取量は「1週間で500g(調理後重量)を超えないように」と勧められています。
以上で、第2章 食生活と健康の後半を終了します。
※は、私なりに個人的見解を入れております。
日本健康マスター検定の公式テキスト NHK出版より要点を抜粋して記載しております。